ピラティスにおけるアーティキュレーションの重要性:基本から応用まで

2023年8月15日

ピラティスで重要な概念の一つである「アーティキュレーション」。この言葉の意味、そして実際の動きにおける重要性について詳しく解説します。初心者の方から経験者の方まで、アーティキュレーションを理解し、より効果的なピラティスを目指しましょう。

アーティキュレーションとは?ピラティスにおける基本概念

アーティキュレーションの定義とピラティスでの役割

アーティキュレーションは、関節を一つ一つ丁寧に動かすことで、背骨や四肢の柔軟性を高めるピラティスの重要な概念です。動きの中で、どの関節がどのように動いているかを意識することが重要です。ピラティスでは、身体の各部位を独立して動かすことを重視し、これにより、より正確で効果的な運動が可能になります。特に、背骨のアーティキュレーションは、脊椎の柔軟性を保ち、体幹の安定に繋がるため、非常に重要です。背骨には頸椎・胸椎・腰椎と骨があり、生理的湾曲を保つことが生きていく上で求められます。アーティキュレーションは、単に身体を動かすだけでなく、意識を集中し、身体の細部にまで注意を払うことで、より洗練された動きを目指すための鍵となる要素です。また、怪我の予防にも繋がり、安全にピラティスを実践する上で欠かせない要素と言えるでしょう。ピラティスの効果を最大限に引き出すためには、このアーティキュレーションの概念を深く理解し、日々の練習に取り入れることが不可欠です。

脊柱の構造

アーティキュレーションがもたらす効果

アーティキュレーションを意識することで、身体の柔軟性向上、体幹の安定性向上、そして怪我の予防につながります。また、動きの質が向上し、ピラティスの効果を最大限に引き出すことが可能になります。柔軟性が向上すると、日常生活での動作が楽になり、身体の可動域が広がることで、運動能力も向上します。体幹の安定は、正しい姿勢を保つために重要であり、腰痛などの慢性的な痛みの軽減にも繋がります。怪我の予防については、関節の可動域が広がることで、無理な動きによる関節への負担を減らすことができ、安全に運動を続けられます。動きの質が向上すると、エクササイズの効果が最大限に引き出され、より効率的に筋肉を鍛えたり、身体のバランスを整えることが可能です。これらの効果は、ピラティスの練習を継続することで、より顕著に現れます。アーティキュレーションは、単に身体を動かすだけでなく、意識的に身体の各部位をコントロールすることで、全身の調和を生み出すための重要な要素なのです。その結果、身体の機能が向上し、より健康的な生活を送ることができるでしょう。

アーティキュレーションと関連する身体の部位

主に背骨を意識することが多いですが、肩甲骨や股関節など、全身の関節の動きに関わってきます。各関節の可動域を広げ、滑らかな動きを目指しましょう。背骨は、身体の中心であり、その柔軟性は全身の動きに大きな影響を与えます。背骨を一つ一つ丁寧に動かすことで、身体全体の柔軟性が高まり、よりスムーズな動作が可能になります。肩甲骨は、腕の動きに関わる重要な関節であり、その可動域が広がると、肩周りの柔軟性が向上し、肩こりの解消にも繋がります。股関節は、脚の動きに関わる重要な関節であり、その柔軟性が向上すると、歩行やその他の運動が楽になります。これらの関節の可動域を広げることで、身体全体のバランスが整い、より効率的な運動が可能になるのです。アーティキュレーションは、特定の部位だけでなく、全身の関節を意識することで、より効果的なトレーニングが可能になるという考え方が基本です。各関節の動きを意識することで、身体の連動性が高まり、よりスムーズで力強い動きができるようになります。この意識は、ピラティスの全ての動きに応用できるため、日々の練習で常に意識することが大切です。身体の各部位がどのように連動し、どのように動いているかを理解することで、ピラティスの効果を最大限に引き出すことができるでしょう。

ピラティスでのアーティキュレーションの実践方法

キャットを通したアーティキュレーション

代表的なエクササイズであるキャットは、背骨のアーティキュレーションを意識するのに最適です。一つ一つの背骨の動きを感じながら、ゆっくりと行いましょう。キャットは、四つん這いの姿勢から、背中を丸めたり、反らせたりする動きを繰り返すエクササイズです。この動きの中で、背骨を一つずつ丁寧に動かすことを意識することで、アーティキュレーションを効果的に実践できます。特に、背骨を丸める際には、首、胸、腰の順に、または腰から胸、首の順で一つずつ動かすように意識すると、より効果的です。この動きをゆっくりと行うことで、背骨の柔軟性が高まり、体幹の安定にも繋がります。キャットは、ピラティスの基本エクササイズの一つであり、アーティキュレーションを学ぶための第一歩として非常に重要です。このエクササイズを通して、背骨の動きを意識する感覚を養い、他のエクササイズにも応用していきましょう。キャットを行う際には、呼吸を意識することも重要です。息を吸いながら背中を反らせ、吐きながら背中を丸めることで、より効果的な運動が可能です。ゆっくりとした呼吸と動きを組み合わせることで、リラックス効果も期待できます。このエクササイズを継続することで、背骨の柔軟性が高まり、より健康的な身体へと導くことができます。

アーティキュレーションとは『はっきりと区切る』・『分節ごとに動かす』という意味で、ピラティス動作において、最も重要な【意識】の1つです!ピラティスエクササイズの中でも背骨を動かす動作の時にこの言葉は使われます。背骨を分解すると"頚椎7個・胸椎12個・腰椎5個 ・仙骨1個・尾骨1個"を1つずつ分節ごとに上からそして下から順番に動かすこと=アーティキュレーションなのです。背骨についている筋群を短くしたり、長くしたりすることが可能で、最終的に背骨の柔軟性を高めることが出来ます

その他のエクササイズでの応用

ロールアップやスパインストレッチなど、他のピラティスエクササイズでもアーティキュレーションを意識しましょう。常に意識することで、効果が向上します。ロールアップは、仰向けの状態から上体を起こすエクササイズで、背骨を一つずつ動かすことで、腹筋の中でも腹斜筋を効果的に鍛えることができます。スパインストレッチは、座った状態から上体を前に倒すエクササイズで、背骨の柔軟性を高めることができます。これらのエクササイズを行う際にも、アーティキュレーションを意識することで、より効果的なトレーニングが可能です。例えば、ロールアップでは、背骨を上から順にゆっくりと床から離していくように意識し、スパインストレッチでは、背骨を一つずつ丁寧に伸ばしていくように意識します。これらのエクササイズは、単に身体を動かすだけでなく、意識を集中し、身体の各部位をコントロールすることで、より洗練された動きを目指すための良い練習になります。ピラティスは、全ての動きにおいてアーティキュレーションを意識することが重要であり、これは、他のエクササイズにも応用できる基本的な考え方です。

アーティキュレーションを深めるためのポイント

呼吸と動きを連動させることが重要です。呼吸は、ピラティスにおいて非常に重要な要素であり、動きと連動させることで、より効果的な運動が可能になります。息を吸うときには、身体を反らす動き、息を吐くときには、身体を丸める動きと連動させることで、より深く筋肉を動かすことができます。ピラティス初心者の方はパーソナル専門スタジオでのピラティス指導を受けることをお勧めします。専門のインストラクターがマンツーマンで動きを確認するので、より正しいフォームを身につけ、効果的なトレーニングを行う上で非常に有効です。インストラクターは、個々の身体の状態や目標に合わせて、適切なアドバイスや指導を行ってくれます。

まとめ

背骨の柔軟性、それがあなたの年齢です

"If your spine is inflexibly stiff at 30, you are old. If it is completely flexible at 60, you are young"

「30歳で背骨が柔軟性がなくなったら、あなたは老人です。60歳で完全に柔軟性があれば、あなたは若いです」
これはジョセフピラティス氏が残した言葉です。

背骨の動きには、①屈曲、②伸展、③側屈、④回旋とありますが、どの動きもしなやかに柔らかくそして強靭な背骨になれることが理想です。
皆さんの背骨はどうでしょうか?背骨が硬そうだな、一度見て欲しいなという方はぜひ一度ピラティス体験にお越しください。柔軟でしなやなかつ強い背骨作りのサポートをさせていただきます。

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  • この記事を書いた人

杉 直樹

株式会社SPARX代表取締役。Pilates Synergy代表。柔道整復師。24歳で起業し、ピラティス指導歴は15年。今までに400名以上ピラティスインスラクターを輩出し、トレーナーオブザイヤー審査員特別賞受賞にも輝く。「身体に新たな可能性を」を理念にスタジオを経営している。JPSA認定ベーシックプロスピーカー。(一社)分子整合医学美容食育協会プロフェッショナルファスティングマイスター

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