ピラティス【ロールアップ】ができない原因と改善策|効果を高めるコツも紹介

2025年1月22日

ピラティスの人気エクササイズ「ロールアップ」ができないとお悩みですか?実は、多くの方が腹筋の弱さや背骨の柔軟性不足などでロールアップに苦戦しています。この記事では、ロールアップができない3つの原因を徹底解説し、改善策を5つご紹介。膝を曲げたり、補助具を使うなど、今日から実践できる方法ばかりです。さらに、呼吸法や正しいフォームなど、効果を高めるコツも伝授。よくある質問にもお答えしているので、この記事を読めば、あなたも正しいロールアップをマスターし、しなやかな体幹と美しい姿勢を手に入れられます。

ロールアップとは?その効果と重要性

ピラティスのロールアップは、体幹強化に非常に効果的なエクササイズです。仰向けの状態から、背骨を一つずつゆっくりと床から剥がし、最終的に座位の姿勢になるまで体を起こしていきます。ロールダウンはその逆の動きで、座位から背骨を一つずつ床に近づけていき、仰向けの状態に戻ります。

ロールアップの正しいやり方

ロールアップは、正しいフォームで行うことが重要です。以下に、基本的な手順を説明します。

  1. 仰向けに寝て、両脚を揃えて伸ばし、両腕は頭上に伸ばします。
  2. 息を吸いながら、両腕を天井に向かって持ち上げ、頭と肩を床から持ち上げます。
  3. 息を吐きながら、腹筋を使って背骨を一つずつ床から剥がし、上体を起こしていきます。
  4. 座位の姿勢になったら、息を吸います。
  5. 息を吐きながら、背骨を一つずつ床に下ろし、元の仰向けの状態に戻ります。

ロールアップで得られる効果

ロールアップを行うことで、様々な効果が期待できます。

効果詳細
腹筋強化腹直筋、腹横筋、腹斜筋など、腹部の筋肉全体を強化することができます。特に、深層筋である腹横筋を鍛えることで、体幹の安定性向上に繋がります。
背骨の柔軟性向上ロールアップでは背骨を一つずつ動かすため、背骨の柔軟性を高める効果があります。
姿勢改善腹筋と背筋のバランスを整えることで、姿勢の改善に役立ちます。猫背や反り腰の改善にも効果的です。
腰痛予防・改善体幹が強化されることで、腰への負担を軽減し、腰痛の予防・改善に繋がります。
身体の協調性向上ロールアップは、全身の協調性を高める効果も期待できます。

なぜロールアップは重要なのか?

ピラティスにおいて、ロールアップは基礎となる重要なエクササイズです。ロールアップで体幹や背骨の柔軟性を高めることで、他のピラティスエクササイズをより効果的に行うことができるようになります。また、日常生活動作においても、姿勢が良くなり、腰痛予防にも繋がります。ピラティスを始める上で、まずマスターしたいエクササイズの1つと言えるでしょう。

ロールアップができない3つの原因を解説

ピラティスのロールアップは、一見シンプルな動きに見えますが、正しく行うには体幹の強さ、柔軟性、そして体の協調性が必要です。多くの人がロールアップに苦労する理由は、これらの要素が不足していることにあります。 できない原因を3つの観点から解説します。

腹筋の弱さ

ロールアップは、腹筋群、特に腹横筋、腹直筋、腹斜筋といった筋肉の協調的な収縮が不可欠です。これらの筋肉が弱いと、上半身をコントロールしながら滑らかに持ち上げることが難しくなります。特に、腹横筋は深層筋であるため、意識的に鍛えることが重要です。日常動作ではあまり使われないため、意識的なトレーニングで強化していく必要があります。

筋肉役割弱さによる影響
腹横筋体幹の安定、腹圧の維持上半身の安定性低下、ロールアップ開始時の困難
腹直筋体幹の屈曲上半身を持ち上げる力の不足
腹斜筋体幹の回旋、側屈、安定身体のバランスが崩れ、スムーズな動きが阻害される

背骨の柔軟性不足

ロールアップでは、背骨を椎骨一つ一つ順番に動かす必要があります。背骨の柔軟性が低いと、この分節的な動きが難しくなり、代わりに腰や首に負担がかかってしまいます。特に胸椎の可動性が重要で、ここが硬いとロールアップの際に背中が丸まりにくくなります。長時間のデスクワークや猫背姿勢は胸椎の柔軟性を低下させる要因となります。

骨盤の動きの悪さ

骨盤の動きとロールアップは密接に関係しています。ロールアップでは、骨盤の後傾と前傾をスムーズに行う必要があります。股関節の柔軟性が不足していたり、骨盤底筋群が硬いと、骨盤の動きが制限され、ロールアップがスムーズに行えません。骨盤が後傾できないと、腰椎に負担がかかりやすくなり、腰痛の原因にもなります。また、ハムストリングスの柔軟性も重要です。ハムストリングスが硬いと骨盤が後傾しにくくなり、ロールアップの開始が困難になります。

ロールアップができるようになるために(画像)

ロールアップを成功させるための改善策5選

ロールアップは、正しく行うことで多くの効果が得られる一方、難易度が高いため、実践できない人も少なくありません。そこで、ピラティス初心者の方でもできるロールアップを成功させるための改善策を5つ紹介します。

膝を曲げて行う

ロールアップができない最も大きな原因の一つが、ハムストリングスの柔軟性不足です。ハムストリングスが硬いと、骨盤が後傾しにくくなり、ロールアップの開始姿勢がとりにくくなります。そこで、膝を曲げることでハムストリングスの緊張を緩和し、骨盤を後傾させやすくすることで、ロールアップをしやすくします。膝を曲げることで腹筋への負荷が軽減されるため、腹筋群の筋力不足の人にもおすすめです。

ロールダウンから始める

ロールアップが難しい場合は、まずロールダウンから練習してみましょう。ロールダウンとは、ロールアップの逆の動作で、座った状態から背骨を一つずつ床に下ろしていくエクササイズです。ロールダウンを行うことで、ロールアップに必要な腹筋群や背骨の柔軟性を養うことができます。腰に痛みがある場合は、無理に行わず、インストラクターに相談しましょう。

キャットバックで背骨を動かす

ロールアップでは、背骨を滑らかに動かすことが重要です。背骨の柔軟性が低いと、ロールアップが難しくなるだけでなく、腰を痛める原因にもなります。キャットバックは、四つん這いの姿勢で行うエクササイズで、背骨を丸めたり反らせたりすることで、背骨の柔軟性を高めます。ロールアップの前にキャットバックを行うことで、背骨の動きをスムーズにし、ロールアップの成功率を高めます。

ピラティスマシン(キャデラック)を活用する

ピラティスの専用マシンであるキャデラックには、ロールダウンバーと呼ばれるバーがついています。このロールダウンバーを使うことで、自重による負荷を軽減しながらロールアップを行うことができます。マシンがない場合は、ゴムチューブなどを代用することも可能です。足の裏に引っ掛けたゴムチューブを手で持ち、ロールアップを行うことで、キャデラックと同様の効果が得られます。

補助具を使う

ロールアップを補助する専用の道具も販売されています。代表的なものに、マジックサークルやフォームローラーがあります。マジックサークルを膝で挟んで行うことで、脚の動きを安定させ、腹筋群に集中することができます。また、フォームローラーを背骨の下に置いて行うことで、背骨の動きをサポートし、ロールアップをスムーズに行うことができます。

補助具使い方効果
マジックサークル膝で挟んでロールアップを行う脚の動きを安定させ、腹筋群に集中できる
フォームローラー背骨の下に置いてロールアップを行う背骨の動きをサポートし、ロールアップをスムーズに行う

これらの改善策を参考に、自分に合った方法でロールアップに挑戦してみましょう。焦らず、少しずつ練習することで、必ずできるようになります。

ロールアップをさらに効果的にするコツ

ロールアップの効果を最大限に引き出すためには、以下のコツを意識することが重要です。呼吸、動作の速度、フォーム、これら3つの要素が正しく組み合わさることで、効果的なエクササイズへと繋がります。

呼吸を意識する

ピラティスでは呼吸と動きの協調性が非常に重要です。ロールアップでは、息を吐きながら身体を丸め、息を吸いながら元の位置に戻ります。息を吐き切るタイミングで腹筋を最大限に収縮させることで、より効果的に腹筋群を鍛えることができます。

動作呼吸
身体を丸める(ロールアップ)息を吐く
元の位置に戻る(ロールダウン)息を吸う

ゆっくりとした動作を心がける

反動を使わず、ゆっくりとした動作を意識することが大切です。スピードを重視するのではなく、腹筋群をコントロールしながら、背骨一つ一つを丁寧に動かすように心がけましょう。ゆっくりとした動作は、インナーマッスルを効果的に刺激し、より深い部分の筋肉を鍛えることに繋がります。

正しいフォームを維持する

正しいフォームを維持することも重要です。ロールアップ中は、顎を引いて首を長く保ち、肩甲骨を安定させ、腰が反らないように注意しましょう。お腹を薄く保つイメージで行うと、腹横筋への効果が高まります。鏡を見ながら行う、もしくは指導者にフォームをチェックしてもらうことで、より効果的なエクササイズを行うことができます。

ピラティス【ロールアップ】に関するよくある質問

ピラティスにおけるロールアップに関するよくある質問をまとめました。疑問を解消して、効果的なトレーニングに役立てましょう。

ロールアップは何回くらい行うべきですか?

ロールアップの理想的な回数は、体力やトレーニングレベルによって異なります。最初は3~5回から始め、徐々に回数を増やしていくのがおすすめです。目標は10回程度ですが、無理なく続けられる範囲で行うことが大切です。また、質の高い動作を維持できる回数を重視しましょう。フォームが崩れるまで行うのは逆効果になる可能性があります。

腰痛持ちでもロールアップはできますか?

腰痛持ちの方は、ロールアップを始める前に医師や理学療法士に相談することをおすすめします。腰痛の種類や程度によっては、ロールアップが適さない場合もあります。許可を得られた場合は、膝を曲げた状態で行う、またはロールダウンのみで練習するなど、腰への負担を軽減する方法で取り組むと良いでしょう。痛みが伴う場合は、すぐに運動を中止してください。

ロールアップで使う筋肉はどこですか?

ロールアップでは、主に以下の筋肉が使用されます。

筋肉の部位筋肉名役割
腹部腹直筋体幹を屈曲させる、脊柱を安定させる
腹部腹斜筋(内腹斜筋、外腹斜筋)体幹を回旋させる、側屈させる、脊柱を安定させる
腹部腹横筋腹圧を高める、脊柱を安定させる
股関節腸腰筋股関節を屈曲させる

これらの筋肉が協調的に働くことで、スムーズなロールアップ動作が可能になります。特に腹横筋は、体幹の安定に重要な役割を果たすため、意識的に使うように心がけましょう。

まとめ

ピラティスにおけるロールアップは、腹筋群の強化や体幹の安定に効果的なエクササイズです。しかし、正しく行わないと効果が薄れたり、腰を痛める可能性もあります。この記事では、ロールアップができない3つの原因(腹筋の弱さ、背骨の柔軟性不足、骨盤の動きの悪さ)と、それぞれの改善策を解説しました。膝を曲げたり、補助具を使うなど、自分に合った方法で練習することで、徐々にできるようになります。さらに、呼吸法や動作スピードに注意することで、効果を高めることができます。ロールアップで得られる効果は大きく、正しく実践することで、美しい姿勢や強い体幹を手に入れることができるでしょう。焦らず、少しずつ練習を重ねていきましょう。

Pilates Synergyピラティス体験
  • この記事を書いた人

杉 直樹

株式会社SPARX代表取締役。Pilates Synergy代表。柔道整復師。24歳で起業し、ピラティス指導歴は15年。今までに400名以上ピラティスインスラクターを輩出し、トレーナーオブザイヤー審査員特別賞受賞にも輝く。「身体に新たな可能性を」を理念にスタジオを経営している。JPSA認定ベーシックプロスピーカー。(一社)分子整合医学美容食育協会プロフェッショナルファスティングマイスター

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