ホットフラッシュ、イライラ…更年期の不調をピラティスで改善!

更年期にさしかかり、ホットフラッシュやイライラ、不眠など、心身の不調を感じていませんか? 実は、これらの症状改善にピラティスが効果的と言われています。この記事では、更年期によくある症状を解説し、ピラティスによる改善メカニズム、更年期におすすめのピラティス種目、始める際の注意点などを詳しくご紹介します。更年期症状に悩む方、ピラティスに興味のある方は、ぜひ最後まで読んでみてください。きっと更年期を快適に過ごすためのヒントが見つかるはずです。

更年期によくある不調

更年期は、閉経をはさんだ前後10年間(45歳~55歳頃)を指し、この時期は卵巣機能が低下することで女性ホルモンであるエストロゲンが減少します。エストロゲンの減少によって、自律神経のバランスが乱れ、様々な身体的・精神的な不調が現れることがあります。これらの不調を更年期症状、または更年期障害といいます。

更年期障害とは?

更年期障害とは、更年期に起こる様々な不調の総称です。全ての女性が更年期障害になるわけではなく、症状の程度や種類も個人差が大きく、全く症状が現れない人もいれば、日常生活に支障が出るほど重い症状に悩む人もいます。症状はエストロゲンの減少に加え、加齢、生活習慣、ストレス、環境の変化なども影響すると考えられています。

代表的な症状

更年期障害の代表的な症状には下記のようなものがあります。

症状説明
ホットフラッシュ突然、顔や上半身がカーッと熱くなり、大量の汗をかく症状です。のぼせや発汗に加え、動悸やめまいを伴う場合もあります。数分から数十分続くことがあり、1日に何度も繰り返す人もいます。
イライラ、不安感些細なことでイライラしたり、急に不安になったり、気分の浮き沈みが激しくなることがあります。感情のコントロールが難しく、周囲との関係に影響することもあります。
不眠なかなか寝付けなかったり、夜中に何度も目が覚めたり、朝早くに目が覚めてしまうなど、睡眠の質が低下します。寝不足により、日中の倦怠感や集中力の低下につながることもあります。
肩こり、腰痛慢性的な肩こりや腰痛が悪化したり、新たに痛みが出現することがあります。ホルモンバランスの変化や自律神経の乱れ、精神的なストレスなどが原因と考えられています。
倦怠感常に体がだるく、疲れやすい状態が続きます。十分な睡眠をとっていても、日中に強い眠気を感じることがあります。家事や仕事など、日常生活に影響が出ることもあります。

上記以外にも、頭痛、めまい、動悸、息切れ、関節痛、性交痛、膣の乾燥、頻尿、尿漏れなど、様々な症状が現れる可能性があります。これらの症状は更年期特有のものではなく、他の病気の可能性もあるため、気になる症状がある場合は医療機関を受診することが大切です。

ピラティスで更年期症状を改善するメカニズム

ピラティスは、更年期の様々な不調を改善する効果が期待できます。そのメカニズムを、自律神経、ホルモンバランス、血行促進、筋力アップの観点から解説します。

自律神経の調整

更年期には、自律神経の乱れによってホットフラッシュやイライラ、不眠などの症状が現れやすくなります。ピラティスは、深い呼吸を意識しながら行うため、副交感神経が優位になり、自律神経のバランスを整える効果が期待できます。リラックス効果を高めることで、更年期特有の精神的な不調の緩和にも繋がります。

ホルモンバランスの改善

更年期は、女性ホルモンであるエストロゲンの分泌量が減少する時期です。ピラティスは、全身の血行を促進することで、ホルモンバランスの調整をサポートする効果が期待できます。特に、骨盤底筋を鍛えることで、女性ホルモンの分泌を促す効果も期待できます。

血行促進効果

更年期には、血行不良により冷えや肩こり、腰痛などの症状が現れやすくなります。ピラティスは、様々な動きを通して全身の筋肉を動かすため、血行促進効果が期待できます。血行が促進されると、酸素や栄養が全身に行き渡り、細胞の活性化や老廃物の排出を促し、更年期症状の緩和に繋がります。

筋力アップで身体を支える

加齢とともに筋肉量は減少していきます。更年期には、骨密度の低下も進むため、骨粗鬆症のリスクも高まります。ピラティスは、インナーマッスルを含む全身の筋肉をバランス良く鍛えることで、身体を支える力を強化し、姿勢の改善や腰痛、肩こりなどの予防にも効果が期待できます。骨盤底筋群を鍛えることは、尿漏れなどの更年期によくあるトラブルの予防にも効果的です。

メカニズム更年期症状への効果
自律神経の調整ホットフラッシュ、イライラ、不眠、不安感の緩和
ホルモンバランスの改善ホルモン分泌の促進、更年期症状全般の緩和
血行促進効果冷え、肩こり、腰痛、倦怠感の緩和
筋力アップで身体を支える腰痛、肩こり、骨粗鬆症、尿漏れの予防、姿勢改善

更年期におすすめのピラティス

更年期症状の緩和に役立つ、おすすめのピラティスエクササイズをご紹介します。それぞれ呼吸法や身体の使い方を意識することで、より効果的に行うことができます。

呼吸法を意識したピラティス

ピラティスでは、胸式呼吸ではなく腹式呼吸を行います。腹式呼吸は、横隔膜を上下に動かすことで、深い呼吸を促し、自律神経のバランスを整える効果が期待できます。更年期には自律神経の乱れが生じやすいため、腹式呼吸を意識したピラティスは、ホットフラッシュやイライラなどの症状緩和に繋がります。深い呼吸と共に、身体の奥深くにあるインナーマッスルを意識することで、体幹の安定性も高まります。

おすすめの呼吸法

  • 胸式呼吸と腹式呼吸を組み合わせた呼吸法
  • 吸う息で肋骨を広げ、吐く息で肋骨を締める呼吸法

骨盤底筋を鍛えるピラティス

骨盤底筋は、骨盤の底にある筋肉群で、内臓を支えたり、尿漏れを防いだりする役割があります。加齢や出産、更年期による女性ホルモンの減少により、骨盤底筋は衰えやすくなります。ピラティスで骨盤底筋を鍛えることで、尿漏れや頻尿、骨盤臓器脱などの予防・改善に役立ちます。また、骨盤底筋を鍛えることは、姿勢の改善にも繋がります。

おすすめの骨盤底筋トレーニング

エクササイズ名効果ポイント
ペルビックカール骨盤底筋群の強化、背骨の柔軟性向上腰を反りすぎないように注意
ショルダーブリッジ骨盤底筋群と大臀筋の強化、ヒップアップ効果お尻を高く上げすぎないように注意
ニーリングレッグプルバック骨盤底筋群と腹筋群の強化、体幹の安定性向上背骨が丸まらないように注意

体幹を強化するピラティス

体幹は、身体の中心部にある筋肉群で、姿勢を維持したり、バランスを保ったりする役割があります。体幹が弱くなると、姿勢が悪くなったり、腰痛や肩こりが起こりやすくなったりします。ピラティスで体幹を強化することで、姿勢の改善、腰痛や肩こりの予防・改善身体の安定性向上などの効果が期待できます。また、体幹を鍛えることで基礎代謝が上がり、太りにくい身体作りにも繋がります。

おすすめの体幹トレーニング

エクササイズ名効果ポイント
ハンドレッド腹筋群の強化、呼吸の改善首に力が入らないように注意
ロールアップ腹筋群の強化、背骨の柔軟性向上勢いを使わずゆっくりと行う
プランク体幹全体の強化、姿勢の改善身体が一直線になるように意識

これらのエクササイズは、更年期症状の緩和に効果的ですが、ご自身の体調に合わせて無理なく行うことが大切です。最初は簡単なエクササイズから始め、徐々に強度を上げていきましょう。また、インストラクターの指導を受けることで、より効果的にピラティスを行うことができます。

ピラティスを始める際の注意点

ピラティスを始めるにあたって、いくつか注意しておきたい点があります。安全かつ効果的にピラティスを行うために、以下の点に留意しましょう。

無理なく継続できるペースで

ピラティスは、継続することが重要です。最初から張り切りすぎると、身体を痛めたり、モチベーションが続かなかったりする可能性があります。自分の体力や体調に合わせて、無理なく続けられるペースで始めましょう。週1回から始めて、徐々に回数を増やしていくのも良いでしょう。焦らず、自分のペースで続けることが、更年期症状の改善に繋がります。

インストラクターの資格を確認

ピラティスを指導するインストラクターには、様々な資格があります。資格の種類や、インストラクターの経験などを確認することで、自分に合った指導者を選ぶことができます。特に医療系国家資格を保有している、監修しているスタジオがおすすめで、理学療法士・作業療法士・柔道整復師・鍼灸師・看護師など。これらの資格は、指導に必要な解剖学や生理学、ピラティスの指導法などを学んだ証です。また、更年期に関する知識が豊富なインストラクターを選ぶのも良いでしょう。

体験レッスンで自分に合うか確認

多くのピラティススタジオでは、体験レッスンを実施しています。体験レッスンに参加することで、スタジオの雰囲気やインストラクターとの相性、レッスンの内容などを確認することができます。実際に体験してみることで、自分に合ったスタジオかどうかを判断できます。体験レッスンの際に、更年期に関する悩みや不安を相談してみるのも良いでしょう。

項目注意点
服装動きやすい服装で、締め付けの少ないものがおすすめです。更年期症状で体温調節が難しい場合もあるので、重ね着などで調整できるようにしておきましょう。
持ち物飲み物、タオルは必須です。スタジオによってはレンタルタオルを用意している場合もあります。更衣室の有無も確認しておきましょう。
食事食後すぐは避けましょう。レッスン開始1時間前までには食事を済ませておくのが理想です。
体調体調が悪い時は無理せず休みましょう。更年期症状が重い日も、決して無理は禁物です。

以上の点に注意して、ピラティスを安全に、そして効果的に行い、更年期症状の改善に役立てましょう。自分に合った方法でピラティスを継続し、心身ともに健康な生活を送りましょう。

更年期のピラティスに関するQ&A

更年期にピラティスを始めるにあたってよくある疑問にお答えします。

ピラティスはいつから始められますか?

ピラティスは年齢に関係なく始めることができます。更年期に特有の症状が出ている時でも、医師の許可があれば始めることができます。ただし、症状が重い場合は、医師に相談の上始めるようにしてください。

ピラティスで更年期障害は治りますか?

ピラティスは更年期障害の症状を緩和する効果が期待できますが、更年期障害自体を完治させるものではありません。ピラティスで自律神経を整えたり、血行を促進したりすることで、ホットフラッシュ、イライラ、不眠、肩こり、腰痛などの症状の改善が見込めます。しかし、更年期障害はホルモンバランスの乱れが原因で起こるため、ピラティスだけで根本的な解決をすることは難しいです。医療機関での治療と並行してピラティスを行うことが推奨されます。

更年期におすすめのピラティススタジオは?

更年期におすすめのピラティススタジオは、少人数制でインストラクターの指導が丁寧なスタジオです。更年期世代の生徒が多いスタジオや、更年期に関する知識が豊富なインストラクターがいるスタジオもおすすめです。体験レッスンでスタジオの雰囲気やインストラクターとの相性を確認してから入会を検討しましょう。また、オンラインレッスンを提供しているスタジオもありますので、自宅で手軽にピラティスを始めたい方にもおすすめです。zen place pilatesやピラティススタイルなど、全国展開している大手スタジオは、プログラムが充実しており、初心者から上級者まで幅広く対応しています。

ピラティス以外に更年期対策で良いことはありますか?

ピラティス以外にも更年期対策として有効な方法があります。下記にまとめましたので、ピラティスと併せて生活に取り入れてみてください。

対策内容
バランスの取れた食事大豆製品、牛乳、小魚などを積極的に摂り、栄養バランスの良い食事を心がけましょう。
適度な運動ウォーキングやヨガなど、無理のない範囲で体を動かす習慣をつけましょう。
十分な睡眠睡眠不足は更年期症状を悪化させるため、質の良い睡眠を確保しましょう。
ストレスを溜めない趣味やリラックスできる時間を持つなど、ストレスを溜めないように工夫しましょう。
定期的な健康診断更年期障害以外の病気を早期発見するためにも、定期的な健康診断を受けましょう。
医師への相談症状が重い場合は、自己判断せず、婦人科を受診しましょう。

まとめ

更年期は、ホットフラッシュやイライラ、不眠など様々な不調が現れる時期です。これらの症状は、自律神経の乱れやホルモンバランスの変化、筋力低下などが原因となることがあります。ピラティスは、深い呼吸や体幹強化、骨盤底筋群のエクササイズを通して、これらの原因にアプローチし、更年期症状の緩和に役立つ可能性があります。無理なく続けられるペースで、資格のあるインストラクターの指導のもと、ピラティスに取り組んでみましょう。自分に合ったピラティススタジオを見つけるためには、体験レッスンもおすすめです。ピラティスだけでなく、バランスの取れた食事や適度な運動など、生活習慣の見直しも更年期対策として重要です。更年期を健やかに過ごすためにも、ピラティスを生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。

Pilates Synergyピラティス体験
  • この記事を書いた人

杉 直樹

株式会社SPARX代表取締役。Pilates Synergy代表。柔道整復師。24歳で起業し、ピラティス指導歴は15年。今までに400名以上ピラティスインスラクターを輩出し、トレーナーオブザイヤー審査員特別賞受賞にも輝く。「身体に新たな可能性を」を理念にスタジオを経営している。JPSA認定ベーシックプロスピーカー。(一社)分子整合医学美容食育協会プロフェッショナルファスティングマイスター

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